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 | 2015.10.19 近況報告 『きっかけをつかむために』
 

10月に入り、今シーズンも残すところあとわずかとなりました。

夏以降、浮上のきっかけをつかめず、勝っても負けても充実感のない試合が続き、”もう一度てっぺんを取る!”という合言葉も、どこかむなしい状況でしたが、ここにきて、少しずつ新たな成長が見えてきました。

当然、どんな時も選手たちは一生懸命プレーしているわけで、ここにきて手を抜いている選手はいないと思うのですが、とにかく変化へのきっかけがほしい。

自分たちの成長や変化を実感できる出来事が、試合の中でも練習の中でもいいので、いいきっかけはないか、選手に話をする良いタイミングはないかと考えていたところでしたが、先日ついに、そのきっかけとなる試合がありました。

内容は、指導者ならだれでも言っている当たり前のことで『状況の確認と次のプレーへの準備』を実践すること。

この試合、初回になんでもない外野フライを後逸、内野ゴロをまたもや後逸。守備のミスで簡単に先制点を与えてしまいました。

回の中盤、集中力が途切れてきたときのプレーならわかるのですが、プレイボールがかかった後の先頭打者の打球に反応できない、さあ試合開始という一番気持ちが新鮮な場面でのミスの連鎖に、ベンチに帰ってきてから3つの指摘をしました。

まずは『自分に対しての準備が出来ていたか』。自分のところへ飛んできたらどうするのかということ。

次に『状況を確認して他の選手へ指示を出せていたか』。ポジショニングやどこへ投げるかなど、アウトカウントや打順、ランナーの状況、ボールカウントなど1球ごとに状況が変わり準備の内容も変わるということ。

そして何より『ひとりのミスをカバーできていないこと』。どこか他人事で、何とかしようという気持ちが伝わってこない。誰かがやってくれるのではないかという雰囲気があり、”いつまで甘えてるんや!”という言葉が出てきました。

やはり6年生のこの時期になると、自分たちが感じたことをベースに守備位置であったり、狙い球を絞ったりと、ベンチにいるだけではわからないことを、選手同士で確認し共有しあって、逆にベンチを驚かしてくれる。”みんなここまで成長したんや”と感心させられることも多くなってきます。

しかし、ここまでそれを感じたことはごくわずか。それは、やはりどこかにベンチが指示してくれるとか、ミスをしないようにしようという消極的な姿勢があり、適切な表現かはわかりませんが『甘え』があるというように感じました。

この話のあと、”この試合は、もうベンチを見るな。” ”自分たちで感じたことをみんなに伝えて、次の次のプレーまで準備しておくこと”といって送り出しました。

すると同点に追いついた2回以降、次の回の守備から雰囲気がガラッと変わりました。

選手同士で、次のプレーの確認、打順やスイングを見て守備位置を指示するなど、目の前の試合に集中していることがベンチから見ていて実感できました。

驚いたのは、中盤、点差が開いてから2死1,3塁の場面で、内野陣が集まって次のプレーの確認をしていたこと。当たり前の光景かもしれませんが、こちらが指示するのではなく、選手たち自らがタイムを取って確認していたことに少し成長の跡を感じました。

今どんな状況なのかを皆で確認し、次に起こり得るプレーへの準備を声を掛けて合って確認しあうこと。

まずは、自分の準備。そして、ほかの選手への指示。次の次のプレーまで予測して、打球への対応や素早いカバーリングにつなげ、たとえミスが出ても最小限にとどめるということを、試合の中で再確認し、選手たちも実感できたのではないかと感じた、変化へのきっかけとなる試合でした。

そして翌日、前日の試合での成果が表れた素晴らしい試合をしてくれました。ベンチの指示ではなく、自らの判断で感じたところに守備位置を変え、見えないファインプレーで投手を盛り立て、1-0というロースコアでの試合を制してくれました。

まだまだ成長途中で課題はたくさんありますが、このチームで野球ができるのもあと数か月。

今の合言葉は、”もう一度てっぺんを取ること!”。そして”わかさで勝って笑顔で終わること!”。

ラストスパートへ向けて、選手と共にさらに成長していきたいと思います!

2015年10月19日 Fighters 笠井

 

 
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